筆を使って文字を綺麗に書く技法や筆文字を利用してデザイン性をもたせた作品を生み出す技法を学ぶ書道は、日本の文化として根付いています。
書道に関わる資格は国家資格や公的資格ではなく、日本国内に百以上あるともいわれる各書道の団体の中で認定される民間資格です。
そのため、所属する書道団体以外では、その資格が客観的に評価されるものではなく、履歴書等に記載したとしても、社会的な評価とはなりません。
一般的な書道の団体には、その技量水準を示した級位や段位、師範や準師範などの階級が定められ、団体内での評価を行なっています。
書道の団体にある準師範や師範資格とは?
書道の団体には、綺麗に文字を書くための教育的な団体と、日展や読売書法展、毎日書道展などの展覧会や美術展などに出展を目的とした芸術系の団体の二つがあります。
級位や段位、準師範、師範といった資格が存在するのは、教育的な活動を中心とする書道の団体で、その難易度や認定基準は、団体ごとに独自に設けられています。
一般的には、10級から数字が少なくなるほど上位級となる級位の昇級試験を受けて認定を受け、一級を取得した後は、初段、二段、三段と上位の段位認定を受けます。
四段や五段といった段位になると、所属する団体内で指導できる技量を認められる準師範や師範の認定試験を受験する資格が与えられます。
師範とは、所属する団体内で指導者として認定される資格であり、最高段位取得者の意味も持ち、それに準じた資格が準師範の資格となります。
書道の師範や準師範の資格を取得すればできることは?
書道の師範や準師範の資格を取得して、何ができるかといえば、企業や官公庁などの一般社会で特別な資格としては通用せず、所属する書道の団体内での指導にあたる立場という意味しか持ちません。
書道の師範や準師範にあたる技量を公的に証明するには、文部科学省が後援する日本書写技能検定協会が実施する毛筆書写技能検定試験を受験して級位を取得するしかありません。
書道の師範や準師範の資格は、書道教室を開業したり、展覧会などへの「書」の作品出品の際に、書道の関係者に対する対外的な肩書きのようなもので、一般社会においての評価は曖昧です。
書道の指導者にあたる資格、師範と準師範
書道の団体で稽古する人の技量の認定する資格には、級位や段位、その上の技量と指導者として認められた師範や、それに準じた準師範があります。
所属する書道の団体内でのみ通用する師範や準師範といった資格ですが、綺麗な文字や筆文字を必要とする筆耕の仕事などにも活用されます。
準師範は師範に準ずる資格で、門下生への指導は師範と同様に行えるものの、その指導の範囲については所属する団体の規定によります。