書道の師範資格を取得して直ぐに師匠から『生徒を早く取りなさい』と書で稼ぐ事を度々言われました。
書道を始めて10年そこそこ、師範資格も取得したばかりで全く自信が無く何時も『まだまだ私なんて』とはぐらかしていました。
それでも師匠は『自分を追込みなさい』『人に教える事が勉強』と半ば強引にカルチャー教室の仕事を引継く事なってしまいました。
教える事から学ぶ
カルチャー教室では初心者に小筆の実用書道を教える事になりました。
実は私は小筆で氏名や住所、または年賀状や手紙を書くのはとても苦手でした。
それでも教えるからには苦手なんて言っていられません。
実用書道の本を何冊も買い込み、練習しました。
練習しているうちに美しく書くコツを掴み、カルチャー教室でも其のコツを指導に取り入れる事で生徒さんも理解しやすい講習が出来るようになったのです。
お手本を書くのもお稽古
カルチャー教室の生徒さんにも自宅の生徒さんにもお手本は必ず手書きのお手本を渡しています。
生徒さん一人一人の上達に合わせて多種のお手本を書くのは生徒さんが思うよりも手間の掛かる作業です。
しかしお手本を書く事でかつて自分が学んできた古典を振り返り、復習している事にもなります。
自分がお手本をもらっていた頃には気付けなかった線の表情や書法に気付けるのは自分の腕が上がったことと観る目も養われたからこそでしょう。
自分が学べる上にお金も稼ぐことが出来るなんて、生徒さん達に感謝です。
稼ぐことは作品制作の一助になります
師範を取得した後は公募展へ作品を出品したり社中展への出品もするようになり作品を創る機会が増えます。
作品を創るには良い紙=高い紙を使用します。
勿論お安い紙で作品を創る事も可能ですが書き味も違いますし、なにより出来栄えにも差が出ます。
墨も同様に高い墨はのびもよく、色も良くでます。
生徒さんからお月謝と云う形でお金を稼ぐ事でお金のかかる書道の作品創りの一助となっています。
まとめ
師範取得して直ぐに師匠から弟子を持つ事を強く勧められましたが今はその意味、意義がよく分かります。
人に教えて稼ぐためには先ず自分が勉強しなければなりません。
自分に実力がなければ生徒さんを引っ張り上げてあげる事が出来ないのです。
お手本をコピーしたりせず、全てを手書きで書くのは自分のお稽古に他ならなず、自然と先生は生徒さんの誰よりもたくさんお稽古をしている事になります。
先生はお手本を書く事でお稽古と稼ぐ事の両方が可能になります。
書道でお金を稼ぐ事の意義はお金を頂く事でプロとしての仕事をするようになるということです。
プロと云うのは金額に見合った仕事をする人の事です。