書道の師範資格は、所属する書道の流派や団体が認定してくれる必要があるため、いずれかの流派や団体に所属しなければ、取得できません。
書道を稽古するだけであれば、教材などを買い揃えて独学でも可能で、書道家として活動するのも、必ずしも師範の資格や免許を保有する必要はありません。
書道の師範資格を保有せずに、書道家として指導にあたったり、「書」の作品を販売したりすることも可能ですが、社会的な信用の裏付けがないため、難しい面も多くあります。
書道の師範資格を取得するために必要なことや、独学の方法などを紹介します。
書道を独学して、師範資格を取得するには?
一般的な書道の師範資格は、所属する書道教室や流派、団体で昇級や昇段検定、師範認定試験を受験して合格すれば、認定を受けることができます。
一般的な書道教室や流派に所属することなく、独学で師範に相当する資格を得る方法として、文部科学省が後援する公益団体が実施している毛筆書写検定があります。
毛筆書写検定は、一般的な書道の流派や団体に所属することなく、筆文字の技量を客観的に判断される公的な資格で、履歴書などにも公的資格として記入も可能です。
毛筆書写検定は、6級、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の8つの等級が設けられ、3級以上では、実技に加えて学科試験にあたる理論問題が出題されます。
書道の流派や団体に所属せずに、書道家としての裏付けは?
書道の流派や団体に所属せずに、書道の師範に相当する資格を前述の毛筆書写検定で取得すれば、公的な資格として社会的な信用が得られ、書道教室の開業や書道家としての活動もスムーズに行うことが可能です。
書道家に必要な毛筆を使って文字を綺麗に書き、文字をデザインにも活用できるスキルを身につけるためには、一般的な書道教室で行う稽古と同様な内容を自分で行う必要があります。
そのためには、毛筆書写検定を実施している日本書写技能検定協会が発行している教材などを利用して、独学での稽古を積みます。
独学での稽古には、教室などで規定される稽古回数や時間数などに縛られることもなく、人間関係も気にする事なく効率的に進めることも可能です。
その一方で、一般的な書道教室での稽古には、練習する過程で師範の助言や修正の加筆を受けることが可能ですが、独学での稽古では、練習の結果の判断も自らが行うため、難しい面もありますが、検定合格できれば、自らが師範となって団体を立ち上げることも可能です。
書道の師範に相当する資格取得は独学でも可能?
書道の師範免許は、所属する流派や団体が、合格者に対して師範相当の技量があることを証明したもので、資格取得までに受ける稽古の中で師弟関係が構築され、独学での稽古にはない効果や資格取得後の開業や書道家としての活動での素地ともなります。
しかしながら、特定の流派や団体に縛られることなく書道の技量だけを習得し、師範に相当する資格を認定してくれる文部科学省が後援する毛筆書写検定に独学で合格することも可能です。
それに加えて、社会的な信用を得るために書道の師範資格に相当する資格を得られれば、書道家としての活動の幅も広がり、独学での取得も可能です。