書道の師範が雅号を用いる2つの理由

書道で言う雅号とは芸能人の芸名や小説家のペンネームのようなものです。

書いた書の最後に雅印と共に雅号を書きます。

芸能人でも本名で活動している方がいるように書道界でも本名で作品を発表している書家もいます。

それでは、なぜ書家が雅号を用いるのか?それには2つの理由があります。

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本名がひらがなの人

男性ではあまり見かけませんが女性ではひらがなの名前の方が多く見られます。

例えば『ゆみ』『けい子』などの名前の全てがひらがなだったり名前の一部がひらがなの方は雅号を用います。

漢字作品では中国の古典である漢文を元に作品を書きます。

ひらがなは日本独自の文化ですから署名も漢字でしますし雅印も漢字になるのです。

また書道には字面(じづら)と言う言葉があります。

書としての見栄えの事です。

本名が漢字でも『一(はじめ)』『一枝』などの画数の極端に少ない名前では字面が良いとは言えず書として見栄えがしないと言う理由で雅号を付ける方が多いです。

師匠から雅号を与えられる

『自分の好きな文字を使って考えれば』なんて仰る先生もいらっしゃるように雅号は本来は自分で自由に好きな名前を付けて良いものです。

ですが師匠から雅号を付けていただく事も多々あります。

その場合は師匠の名前の一部が入った雅号を付ける事が多くなります。

その師匠の弟子には全員に同じ漢字一文字が入っているのです。

即ち雅号を見ればどこの社中で誰の弟子なのかが分かるのです。

師匠に付けてもらいながらも師匠とは全く違う雅号である事もあります。

もしかしたらネタ切れなのかもしれません。

いずれにしても全く無料で雅号を付けてくださる師匠もいますが、名前代として数万円から数十万円が必要なところもあると聞きます。

そして師匠から『君も雅号を持ったら?』と言われたら嫌とは言えないのが書道界の師弟関係、慣習なのです。

まとめ

雅印も雅号で作りますから前記のでように本名がひらがなだったり極端に画数の少ない名前の方は自分の好きな文字で字面的に見栄えのする文字を選んでなるべく早く勝手に付けてしまいましょう。

署名共に押す雅印は半紙、全紙、条幅、など紙の大きさに合わせて作ります。

朱文、白文や仮名書用などなど、何種類も必要になります。

雅印は一つ1万円から2万円します。

途中から雅号を持ち、署名を変えると雅印も全て作り直す事になるので相当な出費になります。

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