書道の師範資格は各団体や社中によって認定の基準が違います。
それでも概ね10年位と言うのが一般的だと思います。
私も子供が小学校入学を機に初心者から書道を習い始めて約10年位で基礎的な師範の資格を取得しました。
然し、中には短期間で師範資格が取得できると謳っている団体もあります。
2年間の書道師範コース
週1回120分の授業では4ヵ月を一期として2年間。
最初の8ヵ月で書道の基礎を習い、1年4ヵ月の専攻科では古典の臨書や写経も習い、作品鑑賞のための知識や書道の理論も学ぶようになっています。
更に作品制作にも取り組むカリキュラムになっています。
作品制作では最期の8ヵ月間で、かな書は古典を題材に作品制作を行い、漢字は総仕上げとして隷書を学び、2年間の漢字学習を元に卒業制作に取り組みます。
卒業者は希望すれば師範の認定試験が受けられるとあります。
卒業見込み者や卒業者は技術試験は免除されます。
書道史や書論の理論試験は自宅で論文を書き郵送すれば良いとなっています。
客観的に見てかなり忙しいカリキュラムだなと感じます。
これだけのカリキュラムを2年間でこなすためには宿題がかなり多いのではないかと思います。
2年間での費用
入学金も含めると授業料は2年間で約40万円。
65歳以上の方や学生さんには費用の割引もあります。
作品制作は実費負担になるようです。
師範の認定試験料も別に2万5千円かかります。
普通の書道教室のお月謝は6千円から8千円位が一般的ではないでしょうか。
なので師範を取得するまでにはお月謝だけでも80万円から100万円かかる事になります。
私が通っていた書道教室も月に3~4回のお稽古で、お月謝は6千円でした。
その後に日展に入選されている先生に師事しましたが、お稽古は月に2回、お月謝は6千円です。
その他に級段位の認定試験料がかかる団体もありますし、先生へのお礼が必要な場合もあります。
お月謝だけを比べても2年間の師範コースは格段にリーズナブルであると言えます。
メリットとデメリット
2年間の書道師範コースで学ぶメリットとしては総費用が圧倒的に安いところです。
また社中に縛られないと言う点もメリットであるかもしれません。
デメリットとして考えられるのは師範としての書道技量が本当に身に付くのかと言う事です。
カリキュラムとしては相当量の学習内容ですが本当に週1回120分の授業で生徒さんは付いて来られるのかも心配になります。
またデメリットとして社中に属していないと公募展に応募しても入選は難しいと思われます。
まとめ
2年間と言う短期間に書道の師範を取得するのは可能です。
前記したように書道の師範は社中や団体の決める民間資格で、統一された基準が無いからです。
技量の点では信頼性が低いと言えるかも知れませんが、元々書道に相当の心得があり公募展にも興味がなく社中にも縛られたくないけど師範の資格が欲しい言う方には合っていると思われます。