書道の師範位とは、所属する流派や団体において、指導することを認められた地位をあらわしています。
書道には、華道や茶道などの日本の文化としての芸術性を持つ側面と同時に、筆を利用した文字での表現方法の技術を指導する教育の側面も持っています。
書道の技量水準の高い書道家は芸術家として活動する場面や、門下生を指導する場面があり、その際の立場を第三者に客館的に示すものとして、師範位が存在しています。
書道の師範位を取得するには、一般的には、10年程度の練習が必要で、各流派において認定試験の受験を経て合格することが求められます。
書道の師範位が必要なわけには?
書道の師範位が必要なわけには、対外的に、書道家としての技量を示す必要からといえます。
書道や華道、茶道などにおいて、師範位というものが設けられていて、海外でいうインストラクターという資格のような意味にあたります。
古来の日本の教育システムの中で、現代のような教官の存在にあたるものが、師範位として表現され、書道の技量水準の高さと門下生への指導が可能であることを、所属する流派の上位者が認定してきたものです。
書道の実力や技量は、作品を見なければ判断できず、書道家として教室を開設したり、展覧会への作品出展などの際にも、第三者には判断が難しいものです。
書道の師範位を保有しなくても、書道家として書道教室の開設が不可能ではないものの、社会的な信用を高めるためにも、師範位の保有が有利です。
書道の師範位を取得するためには?
書道の師範位を取得するには、書道教室などへ通い、所属する流派での昇級や昇段の審査を通過して、技量を上げる必要があります。
書道の師範位を取得するための認定試験を受験する前段階として、書道練習生としての技量水準を向上させた結果として、級位や段位の保有があります。
これらの級位や段位は、対外的な書道の技量判断の材料であり、書道家としての社会的な評価の指標にもなります。
この評価を高めた上で、書道家としての技量が一定水準に達した際に、所属する流派で、指導できる立場の技量を保有しているかを、認定試験で判断されます。
認定試験に合格することで、門下生への指導や対外的にも書道家として一定の技量水準を保有した師範位として、展覧会への出展が可能です。
一般的には、師範位を取得するまでには、10年程度の年月が必要とされています。
書道の師範位の保有は、指導が可能なことを示す!
書道の世界において、後輩の指導により、筆の文化を継承することは重要です。
書道を練習する人の中で、一定以上の技量を保有することができ、書道家として活動することが可能なだけでなく、所属する流派や団体から、その技量が指導に値するものであることを認められた地位を示すものが、師範位です。
師範位をもつことは、指導することを、所属している流派や団体から認められているため、書道教室を開設することで、門下生への指導が可能です。
しかも、師範位という資格での、説得力を保有することにもなります。