書道を始めた頃は先生からいただいたお手本も上手く真似出来ず、師範の資格なんて考えもしなかったと思います。
何年か書道を続けていくうちに競書での級段位も上がり、徐々に書道師範を意識し始めるのが一般的でしょうか。
書道の師範は団体や社中によって基準は様々なのでどれくらいの期間で資格が取れるのかは定かではありません。
小学生の期間はお習字
一般的には10年位と言われていますが、それも始めた時期にもよると思います。
通常は小学生など子供の期間は省いて考えた方が現実的です。
なぜなら子供の期間に習っているのはお習字であり、書道とは少し違います。
小学生のお習字では文字の形を整え、綺麗にのびのびと書けるように指導します。
書道は更に書として古典を踏まえた上で自分なりの表現がされた書に発展させたものと考えてください。
小学生ではその辺の理解は難しく、期待されていません。
然し、師範資格の基準は社中によるのは前記した通りです。
書道を始めて師範の資格を取得するまでに概ね10年を長いと思うか短いと感じるか
書道に限らず華道や茶道でも師範の取得にかかる期間は10年前後のようです。
書道を学び始めると本当に奥が深いのが分かると思います。
古くから脈々と伝え続いているものは身に付けるにもそれなりに年数がかかるようです。
書道の歴史は華道、茶道に比べても格段に長く古いです。
BC206年頃、中国の漢の頃には篆書、隷書から書体が行書、草書へと発展し始めています。
そしてその頃から既に書は芸術として鑑賞の対象となっていました。
それだけの歴史のある書道なのですから師範資格と言うそこそこの技量と知識を身につけるのに10年の期間は寧ろ短いと言えるのでないでしょうか?
まとめ
時々ネットなどで書道の師範資格を短期間で簡単に取得出来るように謳っているものを見かけます。
確かに資格に認定基準は統一されていないので簡単に師範と認定してしまう団体もありますが果たしてその師範資格に価値があるのでしょうか?
長い歴史に培われた技量を確かに身につけているのでしょうか?
短期間に出来るのであれば生徒さんにだって出来る訳ですぐに追いつかれてしまいませんか?
本来、書道は師範の資格を取得するには相当の年月がかかりますが、その後も更に長くお稽古を必要とします。
書道を学べば学ぶ程、書道の奥深さを実感される事と思います。
やはり何年もの期間をかけてきちんと勉強し、お稽古した後の師範資格にはそれなりの価値があるのと言えるでしょう。