書道の教室に通った経験のある方ならば、小学生や中学生に教える師範の先生の苦労を、ご存知の方も多いはずです。
書道教室での師範のするべきことは、本来なら、書道に関する運筆や技量向上のための指導です。
しかしながら、特に低学年の小学生であれば、書道の筆や半紙をオモチャにしてしまうこともあります。
数十年前の書道教室では、小学生や中学生が、顔に墨をつけるなんてことは、練習時間中には、日常茶飯事のことだったように思います。
師範の仕事には、これらの小学生や中学生に、いかに静かに書道を練習させるかも、重要な仕事になります。
書道を小学生に教えるには?
書道を小学生に教えるには、師範に練習する方法を変化させるなどの工夫が求められます。
中学生くらいになれば、自制心を持った行動が取れる年代にもなりますが、低学年の小学生には、自制心の効かない子供も多く、静かに筆を運ばせる練習に一定の時間を集中させることは、学校の先生でも苦労するのですから、書道の師範においては、大変なことだと思います。
書道の練習には、短時間で飽きる小学生をいかに惹きつけるか、練習の方法や話術などで変化をつけることが必要です。
日本語の文字の始まりである筆の文化を、小学生に刷り込むことが書道師範の大きな仕事だと思います。
書道の成り立ちや理屈などは、小学生が成長するにつれて、自ずと勉強していくもので、その際のベースを師範の指導で基礎ができます。
小学生の性格に合わせた指導を求められる師範?
小学生の性格に合わせた指導を求められる師範ですが、何も媚びる必要はないと思います。
昔の書道教室の先生には、書道教師を退職したり、現役の先生もおられ、小学生や中学生の扱いが上手だった印象があります。
最近では、一般の社会人から書道の師範になり、書道教室を運営する方も多く、そのため、小学生や中学生の取り扱いに神経を使うようです。
しかしながら、書道は日本の文化の一つでもあり、筆による技術を教えることが第一であり、それに付随する日本の伝統的な文化も伝えることが重要で、子供に合わせたやりかたをすれば良いと考えます。
書道の師範が教えるべきは、書道という道具を使い、子供に必要な礼儀やマナーを、さりげなく習慣化した練習の中で伝えることです。
書道の師範の仕事には?
書道の師範の仕事には、書道教室などでの小学生や中学生を対象にした指導の場面もあります。
集中力の持続しない低学年の小学生には、話術や練習の方法を変化させるなどの指導法を師範に求められます。
書道の技術指導は、その教室の静寂な空間が維持されていない場合には、ほかの練習生には迷惑なものです。
その空間をいかに維持するか、小学生や中学生に、それを教えることが、最も難しい師範の仕事かもしれません。