私は書道の初級者から師範になるまでに約10年位かかりました。
そして書道の師範を取った時から師匠に言われ続けているのは『生徒を持って教えなさい』です。
師範の資格を取得したばかりの私は生徒さんに教える自信もなく『えー!無理です』と何回答えたことでしょう。
それでも師匠は『人に教えるのが一番勉強になる』と当時師匠が持っていたカルチャー教室の場所を半ば強引に私に託されました。
また時を同じくして保育園が終わった後の空き時間に小学生の子供達にも教える事になってしまいました。
まだ師範の資格を取得して2年後でした。
言葉でも伝えられるように
カルチャー教室の生徒さんは全員が大人で小筆で実用書道を学びたいと言う方達です。
殆どの生徒さんが初級者で、小学生以来筆を持った事がない方ばかりです。
私自身は書道を習い始めた時は大筆から始まり、いつの間にか小筆も書くようになっていました。
小筆も大筆と同じように筆の浮き沈みを利用して運筆するのですが大筆より更に繊細な動きになります。
師範の取得まで10年近く書道のお稽古をしていたので筆法や技術的な事などもいつの間にか自然に身に付いていたように思います。
生徒さんにお手本は提示できても言葉でも上手く伝える事が出来るようにそれから何冊も指導書を読み、筆法などを勉強し直しました。
書道の師範になるまでに言葉で伝えられる勉強もしておいた方が良いかと思います。
子供への指導の仕方を学んでおこう
私は師範を取得する前から競書の小学生から高校生の課題も書いて師匠に見てもらっていました。
小学生の課題は太く、大きく、のびのびと書く必要があります。
また常用漢字にある通りに閉じるところはきちんと閉じる、出るところはきちんと出すように書かなければなりません。
例えば大人の課題では『日』と言う漢字は1画目と2画目を少し離して書く時もありますが、子供のお手本では必ずきちんと閉じなければいけません。
また大人の課題ばかり書いていると画数の少ない漢字やひらがな一文字や二文字を半紙にバランス良く、太く、のびのびと書くのは結構難しいものです。
また小学生の低学年では集中力も短いので筆を持って遊び出さないように指導にも工夫が必要です。
子供は順番を待てないので『先生!出来ました!』と次から次へと言って来るので対応がとてもいそがしく大変です。
大人の書道教室に通っていると子供の指導をあまり見る事がありませんが、私は師範になってから少しの間、師匠に子供の指導を手伝わせてもらっていましたので指導の仕方がとても参考になりました。
師範になるまでに子供の課題を書いたり、子供の教室を見学して指導法を工夫できる引き出しを持っていると良いと思います。
書道用具の調達
書き心地の良い道具は上達への近道でもあります。
しかし初めて書道を習いに来る生徒さんは筆や下敷き、紙の善し悪しが分からずにただ安価な道具を選びがちです。
あまり高価では無く、しかも書きやすい道具を調達出来ると生徒さんにも喜ばれると思います。
師範になるまでに生徒さんに合った書道具を安く調達出来る店のリサーチをしたり、師匠に聞いておくと良いと思います。