書道の師範とは良く聞きますが、書道では師範が一番上位と思われていませんか?
また師範の上にはどのような道があるかご存じですか?
級段位、師範資格は社中によりけり
書道界には数えきれないほどの社中や団体が存在します。
級段位も師範の認定もそれぞれの社中で基準が違います。
師範が一番上位の社中もありますが、ある一定級段位にならないと師範の認定試験を受ける資格が得られない社中もあります。
師範を取得しなくても最上位級段に昇級が可能であり昇級と師範の取得は全く別に扱われ、師範の取得は個人の自由になります。
また師範を取得しないとその上の級段位には進めず、昇級に師範取得が組み込まれている社中もあり、そのシステムは様々です。
決して師範が最上位では無く師範の上に位置する級段位もあるのです。
中央展で幹事クラスは『すごい』
実は書道界ではそもそも師範の資格は重要ではありません。
日展をはじめ読売書法展、毎日書道展など、いわゆる中央展での入選や受賞の経歴が最も重要になのです。
入選の回数を重ね、賞を受賞する事で評議員や理事、常任理事などの幹事クラスに昇進していきます。
書道の公募展の中でも最も最高位とされているのは日展ですが中央展の他の公募展に比べて入選率は格段に低くなります。
日展は正に書道界の頂点にあると言えます。
読売書法展や毎日書道展で幹事クラスにあり社中にも貢献し尚且つ技量が秀でていなければ日展での入選や受賞は非常に難しいと言うより無理と断言します。
書道師範の取得までには初心者からでも7?10年ですが、師範を取得してから日展に入選するようになるまでには更に最短でも10年以上の年月と社中での貢献が必要になります。
師範の上を目指すのなら先ずは中央展での入選を果たすのが書道界では王道と言って間違いないでしょう。
師範を取得する意義
師範がそれほど重要では無く、師範の上にもまだまだま続く道があるのなら師範を取得する意義があるのでしょうか。
毛筆でお手紙を書いたり書道教室を開いて生徒に指導出来るようになるには長く書道のお稽古を続けるより方法がありません。
書道に限らず何でも達成出来る目標を定めることはやる気に繋がります。
書道を始めたばかりの人には中央展での入選はまだまだ遠い雲の上の事に思えるでしょう。
師範の取得は手の届く目標になるのではないでしょうか。
師範取得は書の道の入り口に立ったに過ぎませんが更に師範の上を目指すため、書の道を開く扉の鍵を手にすることでもあるのです。
まとめ
師範の上には更に上の上とある事は前記の通りです。
しかし師範を取得したら必ずその道を進まなければならないわけではありません。
中央展への出品、入選にはそれなりにお金がかかるのも事実です。
中央展とは一切関わらずに自らの作品を発表する場を得て活動を続けている書家もたくさんいます。
王道を進まずとも技量と知識があれば書道教室を開いて生徒に教える事も出来ます。
師範の上は一つでは無く無限の可能性が広がっていると言えます。